
競輪のレースを見ていると、スタート直後に選手たちの前を走っている選手がいることに気づくでしょう。
「この選手はレースに参加しているの?」「なぜ最初から先頭を走っているの?」と疑問に思ったことがある人もいるかもしれません。
この選手は「先頭誘導選手」、一般的には「先頭員」と呼ばれています。
先頭員は競走選手の前を走ってレースを誘導する役割を担っており、競輪のレースを成立させるうえで重要な存在です。
この記事では競輪の先頭誘導員について、役割やルール、退避するタイミング、車券との関係などを初心者にもわかりやすく解説します。
競輪の先頭誘導員とは?
競輪の先頭誘導員とは、周回中に競走選手の先頭に立って選手たちを誘導する選手のことです。
競輪ガイドでは「先頭誘導選手」と表記され、一般的には「先頭員」と呼ばれています。

先頭員は競走選手とは異なり、車券の対象にはなりません。
スタート後は選手たちの前を走り、レース序盤のペースを作るとともに、競走選手が風圧を受けるのを抑える「風よけ」の役割も担っています。
決められた位置まで選手たちを誘導した後、先頭員はレースから退避します。
先頭誘導員の役割は?
先頭員には、大きく分けて次のような役割があります。
- 競走選手を先頭で誘導する
- レース序盤のペースを作る
- 競走選手の風よけになる
- 競走がスムーズに進行するようにする
競輪ガイドではスタート後の選手はまず先頭員の後ろを走り、先頭員が規定の位置まで先頭を走ることで、競走選手が風圧によって不利になることを防いでいると説明されています。
特に競輪は屋外のバンクで行われるため、風の影響はレース展開を考えるうえでも無視できません。
先頭員がいることでレース序盤から選手全員が先頭を奪い合うのではなく、一定のルールのもとでレースを進められるようになっています。
先頭誘導員は車券の対象になる?
先頭誘導員は車券の対象にはなりません。
あくまでも競走選手を誘導する役割の選手なので、車券を購入するときに先頭員の車番を予想に含める必要はありません。
競輪を初めて見る人の場合、「先頭を走っている選手がそのまま1着になるのでは?」と思ってしまうかもしれませんが、先頭員はレース途中で退避します。
そのため出走表などを確認するときも、先頭員と車券の対象となる競走選手は分けて考える必要があります。
先頭誘導員はどのように決まる?
先頭員は、誰でも自由に担当するわけではありません。
KEIRIN.JPによると先頭誘導選手は各競輪場の地元選手の中から、あっせん日程などを考慮してJKA各地区本部が選定しています。
また先頭員として使用する選手については、開催前に予定選手が決められ、事故などによって必要な人数が不足した場合には、別の先頭員を補充する仕組みも設けられています。
つまりレースごとに適当に決められているわけではなく、開催を支える仕組みの中で先頭員が選ばれています。
先頭誘導員はいつ退避する?
先頭員はレースの最後まで先頭を走るわけではありません。
規定された位置まで選手たちを誘導した後、バンクの内側へ退避し、競走選手による本格的なレースが始まります。
ここで重要なのが、先頭員が退避するタイミングは競走路の周長によって規定されているという点です。
| バンクの周長 | 先頭員の追い抜きが禁止される基準 |
|---|---|
| 500m | 最終周回前回のバックストレッチ・ラインに到達するまで |
| 400m | 最終周回前回に入るホームストレッチ・ラインに到達するまで |
| 333.3m・335m | 最終周回前々回のバックストレッチ・ラインに到達するまで |
このようにバンクの大きさによって先頭員を追い抜いてはいけない基準が異なります。
競輪では、先頭員が退避するまでの間に競走選手が先頭員を追い抜くことが原則として禁止されています。
先頭誘導員を追い抜いたらどうなる?
競輪では先頭員を規定より早く追い抜くことは禁止されています。
競走選手が定められた位置に到達する前に先頭員を追い抜いた場合、失格となる基準が設けられています。
また、単純に前へ出るだけではなく、先頭員に対する妨害や危険性の高い行為についても厳しく規定されています。
たとえば誘導中や退避中の先頭員に対して妨害行為を行い、その結果として落車などの重大な支障を発生させた場合も失格の対象となる場合があります。
競輪では選手同士の激しい位置取りが見どころの一つですが、先頭員に対しては通常の競走とは異なるルールが設けられている点に注意しましょう。
なぜ先頭誘導員を追い抜いてはいけないの?
「レースなんだから、速い選手が先頭員を抜いてもいいのでは?」と思うかもしれません。
しかし先頭員にはレース序盤のペースを作り、競走選手を安全かつ一定のルールのもとで誘導する役割があります。
そのため選手が好きなタイミングで先頭員を追い抜いてしまうと、レースの基本的な秩序が崩れてしまいます。
競輪では、先頭員の早期追い抜きだけでなく、先頭員への危険行為や妨害行為についても規定されています。
先頭員が規定の位置まで誘導することで、選手たちは決められたルールの中で位置取りや仕掛けを行うことになります。
先頭誘導員が退避した後に何が起こる?
先頭員が退避すると、いよいよ競走選手同士の本格的な駆け引きが始まります。
競輪ではスタート後、まず先頭員の後ろにつきながら各選手が有利な位置を探します。
その後、先頭員が退避すると、選手同士の位置取り争いや仕掛けが激しくなっていきます。
そのため競輪を見るときは「先頭員がいる時間」と「先頭員が退避した後」を分けて考えると、レースの流れを理解しやすくなります。
先頭員が退避した後にどの選手が先に動くのか、どのラインが主導権を握るのかといった点も、競輪観戦の見どころの一つです。
先頭誘導員は予想に影響する?
先頭員そのものが車券の対象になるわけではありませんが、先頭員の存在はレースの流れを理解するうえで重要です。
スタート後はまず先頭員の後ろにつくため、選手たちはその間に自分にとって有利な位置を取ろうとします。
そして先頭員が退避した後、選手同士の駆け引きが本格化します。
競輪を予想するときは先頭員だけを見るのではなく、選手の脚質やライン、選手コメント、バンクの特徴、風向きなど、さまざまな要素を組み合わせて考えることが大切です。
先頭員はあくまでレースを理解するための一つの要素として見るとよいでしょう。
先頭誘導員と「先頭固定競走」の関係
競輪の現在の一般的なレースは、「先頭固定競走」と呼ばれる形式で行われています。
先頭固定競走とは、先頭員が発走後から規定の位置まで競走選手を誘導するレースのことです。
KEIRIN.JPの競輪用語集でも、先頭固定競走は「先頭員に発走後から規定位置まで競走選手を誘導させるレース」と説明されています。
つまり、先頭員は競輪のレースそのものを成立させる仕組みの一部になっているといえます。
先頭誘導員に関するよくある質問
先頭誘導員は競輪選手ですか?
はい。先頭員は競輪選手が務めます。
KEIRIN.JPでは、各競輪場の地元選手の中からJKA各地区本部が選定すると説明されています。
先頭誘導員は車券の対象になりますか?
いいえ。先頭誘導員は車券の対象ではありません。
競走選手を誘導する役割を担い、規定の位置まで誘導した後に退避します。
先頭誘導員は最後まで先頭を走りますか?
いいえ。先頭員は規定された位置まで選手を誘導した後、退避します。
その後は競走選手同士による本格的なレースが行われます。
先頭誘導員を追い抜いてもいいですか?
規定された位置に到達する前に先頭員を追い抜くことは禁止されています。
早期に追い抜いた場合は失格の基準が設けられています。
先頭誘導員にぶつかったらどうなりますか?
誘導中や退避中の先頭員に対する妨害行為や危険性の高い行為は禁止されています。
状況によっては失格となる場合があります。
先頭誘導員はどのように決まりますか?
各競輪場の地元選手の中から、あっせん日程などを考慮してJKA各地区本部が選定します。
事故などで予定していた先頭員が不足した場合の補充についても規定されています。
まとめ|先頭誘導員の役割を知れば競輪がもっと面白くなる
競輪のレース序盤に選手たちの前を走っているのが先頭誘導員(先頭員)です。
先頭員は車券の対象ではありませんが、競走選手を誘導し、風よけやペースメーカーとしての役割を担っています。
また、競輪では先頭員を規定より早く追い抜くことが禁止されており、先頭員への妨害や危険行為についてもルールが定められています。
普段何気なく見ている「レース序盤の先頭を走る選手」にも、実は競輪を安全かつ公平に進めるための役割があるのです。
次に競輪を見るときは、スタート直後に先頭員がどのように隊列を引っ張り、どのタイミングで退避するのかにも注目してみてください。
先頭員の動きが分かるようになると、レースが始まってから本格的な駆け引きへ移っていく流れも、より理解しやすくなるでしょう。





